がん性疼痛ってなにかしら?
がん患者さんが痛がってらっしゃる
あの痛みのことです。
日本では、2人に1人はがんになるというほどに、がんは身近な病気です。
昔は不治の病と恐れられてきましたが、今では必ず死ぬ病気でもなくなってきました。
それでもやはり、怖い病気であることは間違いありません。
がん性疼痛って一体何?
ヒトコトで言うと、がん患者さんが感じている痛みのことです。
がん性疼痛はどの段階の病期にも発生するそうですが、
末期のがん患者の約70%は主な症状として痛みを体験するようです。
持続性の痛みが大半を占め、その痛みの50%はかなり強く、30%は耐え難い痛みだということです。
その80%の患者は複数の痛みを抱えているのです。
痛いと何もできなくなるので、辛いですよね。
だからモルヒネとかの麻薬が使われるのね。
そうです。
今の西洋医学の治療は進行に合わせて鎮痛剤やオピオイド(モルヒネ)を用いた薬物による鎮痛が主に行われています。
だけど、長期にわたる薬物の使用は副作用に悩まされることも。
がんによる痛みは、主に以下の4つに分けられます。
1.がんの病状自体によって起こる痛み
腫瘍の拡大や骨への転移、
がんが神経まわりに広がっていく、神経浸潤(しんけいしんじゅん)。
がんは、水が少しずつしみ込んでいくように,
次第にがん細胞が周囲に入り込み,拡大していきます。
血管の圧迫などによっても痛みは起こります。
特にもっとも多い原因は骨転移から生ずる痛みで、
これらは疼痛の70%の原因だと言われています。
2.がん治療が引き起こす痛み
外科手術はたしかに身体を切り刻むことになるので、術後の手術のあとはもちろん、
抗がん剤などの化学療法の副作用、
放射線障害などの腫瘍根治療法は痛みと背中合わせです。
3.衰弱からくる痛み
寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまう、いわゆる『床ずれ』などによって起こる痛みもあります。
また、多くのがん患者さんが便秘の症状に悩まされています。
食事の内容や食べ方、生活のリズムや運動不足など生活習慣や薬の副作用が原因です。
モルヒネなどオピオイド鎮痛薬には、痛みを抑える作用だけではなく、下痢止めの作用もあるので
量が多くなると、排便が困難となって便秘になることが多いようです。
4. がんと無関係な痛み
緊張型頭痛、筋•筋膜症候群、関節炎、帯状疱疹など。
がんへの不安やストレスから起こってくる、精神的な症状もあります。
鍼灸治療は薬物を使わないので、ほとんど副作用がない
「鍼灸」をがん医療に取り入れている医療機関もあります。
その役割は、従来の治療、薬物療法でコントロールしきれない症状をやわらげることです。
痛み、しびれ、こりなどの症状の他、便秘、むくみ、倦怠感、不眠、食欲不振、呼吸困難などに対しても行われています。
そもそも『心身ともに癒される』東洋医学は、肉体と精神は一体のもので分けることができず、一つのものの両面である心身一如(しんじんいちにょ)と言われています。
西洋医学では、はりやきゅうは昔からある身近な補完代替医療の1つだと言われています。
補完代替医療とは、現在の西洋医学の治療の以外の医療システム、施術、などです。
通常医療とは科学的根拠に基づく西洋医学的なケアのことです。
がんに関して言えば、化学療法、放射線、生物学的療法*、および手術などがそれにあたります。
(*生物学的療法:血液製剤、ワクチン、インターフェロンや抗体製剤などを指します)
とりわけ、鍼灸に関しては薬物使用時のような意識低下や便秘といった副作用の心配もありません。
鍼灸治療は薬物を使わないためほとんど副作用がないという利点があるのです。
まとめ
- がんに伴う痛みのことを『がん性疼痛』と言います。
- がんの症状に伴う直接的な痛みの他、治療に伴う痛み、衰弱による痛み、精神的な痛み、と大きくはこの4つに分けられます。
- 鍼灸治療は薬物を使わないので、ほとんど副作用がありません。
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