【症例紹介】眼精疲労

治療

最近、目がとても疲れるんです。

パソコンを見ているせいでしょうか?

多聞先生
多聞先生

スマホもよく見るようになってますしね。

目を疲れさせてしまっているのは仕方がないと

思います。

 

東洋医学による鍼灸治療

東洋医学では「目」の機能を司るのは「肝」(肝臓そのものではなく、肝臓が司っている多くの働きの総称)の役割だと考えます。肝の役割はほかにもあり、肝の機能が低下していると、目の疲れ以外にも以下のような症状が起こると考えられています。

  • 筋肉痛や肩こりなどが起こる
  • 夜ぐっすり眠れない
  • イライラする
  • 怒りっぽくなったり、感情の起伏が激しくなる
  • 集中できない
  • いつもより少量のアルコールで酔っぱらってしまう
  • 薬の副作用が強く出る
  • 貧血ぎみ
  • 生理痛がある(子宮筋腫などがある)

東洋医学的には、肝の機能を回復させる治療によって、これらの症状がすべて連動して軽減していくと考えられています。
肝の経絡(気の流れる道)はお腹から足に伸びていますから、眼精疲労を改善するためにお腹や足に鍼やお灸をすることもあるのです。眼精疲労だけで他の症状は全くないという方は少ないと思います。眼精疲労とともに全身の状態も向上していくのが鍼灸治療の素晴らしいところです。

筋肉や神経に作用する直接的な効果

また、鍼やお灸によって筋肉や神経に作用することも、直接的な効果を生みます。
眼精疲労によって肩こりが始まり、硬くなった首や肩の筋肉が血行を妨げます。
頭蓋骨の内側、つまり脳や目の内部に血液を届ける血管(動脈)も、頭蓋骨の外側を流れる血管(動脈)も、心臓に戻って来るとき(静脈)は頭蓋骨の外側を通って戻ってきます。
つまり、肩や首の筋肉が硬く張っていると、静脈を押しつぶして血液の流れを悪くしてしまうのです。
血行循環が鈍ると、老廃物がなかなか回収されず、ますます疲労が積み重なってしまいます。渋滞を起こした静脈に関係なく、心臓は動脈を通して勢い良く血液を運び上げます。
しかし、戻っていく血液は渋滞したままですから、ひどくなると膨らんだ風船のようになってガンガンと頭痛がしてくることさえあるのです。
そこで、鍼灸治療では、まずは首 や肩の筋肉のこりをとることを考えます。
つまり、筋肉の緊張を鍼でゆるめたり、お灸で温めたりするのです。すると血液循環が改善され、首から上に溜まっていた老廃物が回収されます。
眼精疲労によって発生した老廃物もこうして回収されますから、目の疲れも楽になるのです。
また、鍼やお灸は、自律神経のうち副交感神経を優位にさせることがわかっています。
副交感神経は、リラックスさせる神経です。
緊張したりストレスを感じたりしている間は交感神経が優位になっているので、なかなか疲れがとれません。
鍼灸治療で副交感神経を刺激することにより、普段の生活では取りきれない疲れやストレスが抜けていくのです。
こうして、眼精疲労の原因になっていたストレスや緊張などの精神的要因も、鍼灸治療で取り除くことができるといえます。

東洋医学による治療系マッサージ施術

当院のマッサージ施術では東洋医学的考え方と、筋肉や神経に対する直接的な刺激の両方を組み合わせて使っていきます。まず筋肉、神経に対するアプローチは背中や足などの全身のマッサージを行い体全体の血流を良くし、次に肩や首、最後に頭や目の周りの筋肉をほぐし疲労物質を除去して眼精疲労を取り除きます。
東洋医学でのアプローチでは、手技により目をつかさどる肝の経絡経穴に刺激を与える事によって目に栄養が行き渡り眼精疲労による目の霞や疲れを取り除いていきます。

眼精疲労とは?

「眼精疲労」という言葉は「疲れ目」と混同されがちですが、医学的には一時的な目の疲れを「疲れ目」と言い、慢性的な目の疲れを「眼精疲労」と呼びます。眼精疲労によって目以外の症状が起こることも多く、「たかが目の疲れくらい」とあなどることはできません。

目以外の症状としては、肩こり、頭痛、吐き気、食欲不振、便秘、イライラ、不安感、鬱など広範囲にわたります。
眼精疲労とこのような全身症状との関連ははっきりしていませんが、目の疲れによって物が見えにくくなり、目を凝らすために頭を固定し、目の位置を一定に保つために頸や肩の筋肉を緊張させることになり、それが肩こりや頸こり、ひいては頭痛の原因になりうることは容易に想像できます。
また、そのような緊張状態が消化器系や自律神経系に悪影響を及ぼし、全身の不快な症状を呼び起こしているとも考えられます。

眼精疲労の原因は?

眼精疲労の原因となっているものはなにか、まずはその原因を調べる必要があります。
原因がわかれば予防や症状の軽減につながるからです。
また、まれなケースではありますが、眼精疲労が重大な病気の前触れであったり、病気の症状の1つである場合もありますので、どんな症状でも、気になることはまず当院にご相談ください。

原因その① 目の病気による眼精疲労

例)近視・乱視・老眼など、ドライアイ、緑内障、白内障、

原因その② 全身の病気の症状として眼精疲労が起こっている場合

例)風邪を引いた時、歯や耳、鼻などの疾患、自律神経のバランスやホルモンのバランスが崩れた場合、
このような場合は、原因となる疾患を治療することが大切ですし、病気が治れば眼精疲労も治ってきます。
また、まれなケースではありますが、シェーグレン症候群という自己免疫疾患では、症状の1つとして眼精疲労が起こります。
症状の重さにも個人差が大きく、ほとんど症状のない人もいますので、いたずらに心配する必要はありませんが、目の症状以外にも思い当たる症状があるなど、気になることは、まず当院にご相談ください。

原因その③ 目の使い過ぎ

現代社会では目を酷使しがちです。
仕事ではPCモニターを凝視しつづけ、通勤中は携帯の小さな画面に注目し、帰宅後はテレビを眺める。
このような生活を、私達は当たり前のように続けていますが、目にとってはかなりの負担になります。
日々の生活で目をいたわること、PC作業の環境を改善することで目の疲れ方は軽くなります。
1時間ごとに休憩をとったり、温めたおしぼりや冷たいおしぼりを目の上にのせるなどのケアで血行を促しましょう。

原因その④ ストレスによる目の疲れ

ストレスと目の疲れは一見関係なさそうに思えますが、ストレスによって自律神経は過剰に反応します。
その結果、目の筋肉や神経といった微細な組織に影響が及ぶことも多いのです。
緊張状態が涙の分泌を抑え、ドライアイになりやすくなります。
目の疲れ以外に胃の不快感やイライラなど思い当たる症状のある方は、ストレスが原因の眼精疲労かもしれません。

多聞先生
多聞先生

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