【症例紹介】不眠症

治療

最近よく眠れないんです。

多聞先生
多聞先生

不眠にはいろいろと原因があるんです。

五行でいうと「火」の領域です。

 

夜寝れなかったら、ホントにキツイですよね。

寝不足で車を運転していたら、不注意から事故ってしまって自分だけでなく人も傷つけてしまうかもしれません。

はたまた寝れないままで朝仕事に行ったら、注意力散漫になってしまうかもしれません。

このように、不眠は本人はとてもしんどいものです。
なんですけど、不眠で死ぬ人っていないんです。

だから、あまり治療では重要視されたりはしません。

睡眠には長さだけでなく質もあります。
深い眠りもあれば、浅い眠りもあります。
「昨晩はほとんど眠れなかった」と嘆く人でも、意外としっかり寝ている場合もあります。

不眠とは、つねに睡眠が不足することです。

軽いものでは、寝つきが悪い、すぐに目がさめてなかなか寝つけないなどを訴えます。

重症のものでは夜通し眠れないなどもあるかもしれません。

いづれにせよ、脳内で分泌される睡眠ホルモンのセラトニン、メラトニンの不足で起こります。
最近では、サプリメントを取るとか。自分のちからで治して行こうとする
そんな改善するポイントもたくさんあります。

東洋医学による「不眠」の鍼灸治療

中国の古典『黄帝内経』には「目不瞑」、「不得眠」、「不得臥」とあり、『難経』には「不寝」とあります。

一時的な精神緊張や考えごと、住環境の影響、異常な暑さや寒さなどによりおこる不眠は病気ではありません。

また、発熱、痛み、咳などで寝れないなどの不眠は、その原因に対処します。

 

そんな難しいことはさておき、

基本的に現代社会は、情報が多すぎるために、交感神経が優位に働く環境です。

睡眠をしっかり取りたいのであれば、副交感神経を優位にしてリラックスさせなければ眠ることはままなりません。

眠れないという症状は、脳が興奮するから寝れない、そういうことなんです。

じゃあ、なぜ脳の血管は興奮してしまうのでしょうか?

 

特に「心」に影響を与えやすい臓腑は「肝」「脾」「腎」でこれらの不調は「心」の不調の原因となり、不眠を発症させやすくします。

 

怒りやイライラは「心」の火が原因

相対的に「心」の火が高ぶることで起こります。

心の臓は火の働きが活発になることで、寝れないなどの睡眠障害になることが知られています。

 

心はすべての精神活動を安定させる根源ですので、心の働きが乱れると不安・不眠・情緒不安・焦燥感など精神面での症状が現れるのと同時に、動悸が起こることもあります。
血液を循環させる働きが低下すると食事をしっかりとっていても血行不良による手足の冷えにつながります。

また、大量の汗をかいた後に心臓がドキドキしたり、緊張などにより冷や汗をかいたりするのも心が汗と関係していると言われています。

 

「腎」は精のエネルギー

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「腎」の水が足りなくなっても、不眠になります。

「精」とは腎に蓄えられているエネルギーのことで、

「先天の精(両親から受けついた根本的なエネルギー)」

「後天の精(脾で消化吸収して出来たエネルギーから精を補ったもの)」の2つがあります。

 

精は成長や発育、生殖のために使われ、腎が弱いと子供の成長が遅かったり、女性では生理機能の不調(生理痛・生理不順・無月経・不妊・PMSなど)が現れたりします。
また、年齢とともにこの腎の働きは低下してくるのですが、そうすると骨が弱って骨粗鬆症になったり造血機能が衰え貧血になったり脳をしっかり栄養できずに物忘れが出てきたりします。

また、耳が遠くなったり髪が白くなるのも腎が弱って出てくる症状です。

尿道・生殖器・肛門をつかさどっているため、これも腎が年齢とともに弱ってくると排尿困難、尿漏れ、夜間尿などと共に、便秘になったり精力減退などの症状が起きてきます。

水分代謝の主役は「腎」です。

そのため、働きが弱ると排尿に関する症状やむくみ、痰などの症状が現れることがあります。
冷却水不足により、「心」の火も上がります。

ちなみに、「腎」の一番活発な時期は20歳ごろで、それ以降は下がる一方です。

老いでも火が上がります。

こうなると老人性の不眠になります。

「腎」現代医学の腎臓とは同じでなく、広く泌尿系統、生殖、内分泌、脳の一部分の機能を司ります。

働きすぎ、SEXのしすぎ、病気が長引くなどにより腎陰を痛めると、腎の心を調整する働きが弱り、相対的に心の機能がたかぶって不眠症になります。

寝ついても、すぐに目が覚めるのです。

口やのどが渇く、耳鳴り、健忘、めまいといった症状が併発しやすくなります。

慢性的な胃腸の負担

食べすぎたりして、胸焼けはあっても寝にくくなります。

どこかに熱が溜まることで、熱があれば上にあがってきます。

 

「脾」(ひ) は胃腸を司ります。

 

五行で言うと「土」に当たります。

食べ物を消化吸収して気血を作り、それを体全体に運ぶ働きを担っています。

もう一つは血液循環を管理し、血液が血管から漏れ出ないようにすることです。

脾の働きが停滞すると、いわゆる「脾気虚」の状態になり、消化不良や全身の疲労感を招いたり、皮下出血や生理不順といった症状が現れたりします。
胃腸に流れる血液量が減ったり胃腸の働きが悪くなったりするので、食欲がなくなります。
さらに気血などのエネルギーが不足します

消化吸収の働きが低下すると食欲が無くなったりお腹を下しやすくなります。

それに加え、食事をしてもそれをうまく活動エネルギーに変換することができないため、少ししか食べていないのに太りやすくなったりします。

いわゆる低代謝の状態です。

栄養物質を行き渡らせる働きが弱まると体の各部位までしっかりと栄養を届けることができなくなり、例えば頭部に栄養がしっかり行かなければ頭がぼーっとするなどの症状が現れたり、体幹部はしっかりしているのに比べて足が細いといった体つきになったりすることもあります。

「心」が弱る

ここまでくれば重症患者さんになってしまうのですが、
うつ病でも、心療内科を受診される方も「心」が弱っています。

 

ちょっとした睡眠障害も、やはり「心」が弱ることで起こります。

動画で説明してみました。

 

 

西洋医学ではどんな治療をするの?

国の調査では、成人の5人に1人が睡眠による休養が十分にとれていないと結果がでています。

睡眠は心身の疲労を回復する働きがあります。

睡眠の時間が不足したり、睡眠の質が悪化すると、健康上の問題や生活への支障が起こることがしばしばです。

2週間以上続く不眠については、ストレス、心や体の病気など個別の原因に応じた対処が必要です。まずは病院の精神科などを受診し、症状をしっかり伝えて適切な治療を受けましょう。

睡眠習慣の見直し

睡眠障害は疾患によって治療法が異なります。

「眠れない」イコール「睡眠薬治療」ではありません。

症状やサイン、診察や検査から、その原因となる疾患が適切に診断され、原因に応じた治療を受けることが重要です。

 

1)睡眠時間にこだわらない

 

年をとると必要な睡眠時間は短くなります。あまり長時間眠ることを目標とせず、年齢に合った睡眠時間を設定しましょう。

 

2)眠くなってから床につく、就床時刻にこだわりすぎない

 

眠ろうと意気込むと、かえって頭が冴えてきます。寝つけないままに床の中にいると、眠れないことへの不安や焦りが生じ、ますます眠れなくなってしまいます。

 

3)同じ時刻に毎日起床

 

何時間眠れたかにかかわらず、毎日同じ時刻に起床しましょう。

 

4)眠る以外の目的で床の中で過ごさない

 

床の中でテレビを見たり、読書をしたりしないようにしましょう。なかなか眠れなかったら、いったん床から離れ、自分なりのリラックスできることを行ってみましょう。

 

5)昼寝は短めに、遅くとも15時前に

 

長い昼寝や夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。

 

睡眠薬の治療

 

寝つきが悪い、途中で起きてしまう、早くに目が覚めてしまう、などの不眠症状に応じて、睡眠薬が使用されます。

また、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬なども使用されることがあります。

医師に指示された用法や用量を守って、正しく使用しましょう。

睡眠薬は絶対にお酒と一緒に飲んではいけません。睡眠薬を服用したら30分以内には寝床につきましょう。
服用していた睡眠薬をいっぺんに中止すると、リバウンドで不眠が悪化することがあります。

医師の指示のもと、ゆっくりとやめるようにしましょう。

 

 

多聞先生
多聞先生

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