多聞先生。
五行で「木」って肝って言うけれど
肝って肝臓ってことですか?
それで正解!です。
けれど正確には少し違います。
肝臓は臓器の名前です。
東洋医学では、西洋医学のいうところの臓器にさらに、目に見えない概念を加えて呼びます。
肝臓を例に取って言うと、「肝」は「肝臓+肝臓に関わる気(肝気)」です。
西洋医学では「気」という目に見えない概念は認めていません。
だから、物質的な肝臓だけを指します。
現代は言葉として「気」ということは知ってはいますが、目に見えないだけに、はっきりと認識できる人は限られた人のみです。
だから医師でも「気」というものを証明できないものはないものとされています。
ですが、五行を理解するには「気」の話は避けては通れません。
陰陽五行は東洋医学の世界だけでなく、占いや哲学にも使われている概念です。
「気」を理解することで
五行はより身近なものになっていきます。
例えば・・・肝と「木」の話
先ほど出てきた、肝気とは何でしょう?
肝臓と言うと、みなさんは何を連想しますか?
医師に肝臓が悪いと言われると、
「お酒の飲みすぎか?」
と、必ず出てくるのがお酒の存在です。
それほどに、肝臓=お酒、というイメージがあまりにも強いです。
お酒を飲むと、気が大きくなり、気分がよくなるけれど、飲みすぎるとふらふらして、さらには吐いてしまいます。
アルコールは肝臓で分解されます。
ですが、肝臓に負担がかかると「気が上がる」のです。
これは肝気が「上がりたがる気」だからです。
通常、健康な人の「気」の本拠地は「丹田(たんでん)」にあります。
「丹田」はお腹の下にあります。
ここに気を集中させると全身が安定すると言われています。
日本の武道やダンスなどでもここを重要視します。
それがお酒を飲むことによって
上に上がっていき、フラフラしてしまいます。
最後は胃の中に入っているものも上に上がってしまって吐いてしまうのです。
肝気は上に上がっていく気なのです。
そもそも五行の「木」は樹木のイメージなのですが、
木は上に伸びていく力の現れでもあります。
「木」の中でも肝気だけが持つ大きな特徴、それは伸びていく力が強いので、ブレーキをかけようとするとかえってアクセルがかかってしまうことです。
同じ「木」でも陰陽の陽にある、胆の方はそんなことはないのですが、肝はつっぱしります。
肝臓は鈍感な臓器で、痛みを感じることはほとんどありません。
むしろ、負担がかかるほどにアクセルがかかる。
そういうことにも現れているようです。
冷えと木気が上がる関係について
「木」の気はとにかく上に上がろうとして、しかも負担がかかるほどに加速する、ということはお話しました。
このことを「木気亢進(もっきこうしん)」と言います。
自然の寒暖差を気で表現すると、温かい陽気と冷たい陰気ですが、
陽気は上がり、陰気は下がります。
お湯は沸騰すれば上の方に熱湯がくるのでかき回します。
お風呂を追い焚きした時にも、本当の湯加減はかき回さないとわかりません。
真夏の暑い日に冷房をつければ床あたりは冷たいのに、頭のあたりは全く涼しくならない、そんなこともあります。
だから人体も頭に陽気がのぼり、脚に陰気が下がりがちです。
ですが、「頭寒足熱」これが健康な人体の基本です。
足元が暖かければ上に上がって、頭が冷たければ下に下ります。
寒暖の循環がおきて、身体全体をよいレベルに保つことができるからです。
健康の秘訣は頭を冷やして、脚を温めることなんです。
人は上が熱くて下が冷たいのは、陰陽の姿では自然なのですが、このままでは自然のオキテ通りに分解されて、腐っていきます。
ようするに、ひどくなってしまうと、死体と同じ状態になってしまい、本当に死体になってしまいます。
血流が悪くて下が冷えて上が暑い状態です。
上が熱いので、頭が痛く肩が凝り、あちらこちらが痛く、イライラもしてきます。
下が冷たいので、むくみ、だるさ、さらには食欲不振が起こります。
まさに「木気亢進」の状態です。
とにかく、足元やお腹を温めると、上がりきった気が循環していきます。
健康な「頭寒足熱」に戻るのです。
まとめ
- 五行を理解するには「気」の話は避けては通れない。
- 肝気が「上がりたがる気」。
- 健康な人の「気」の本拠地は「丹田(たんでん)」にあり。
- 人は基本「頭寒足熱」だけど、それは自然界とは逆。
- 足元やお腹を温めると、上がりきった気が循環する。
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