ニンゲンの感じる気の持ち方、思考にも体質と内臓が密接に関係しています。
心身のさまざまな不調は、“気(治る力)”の滞りから起こり、そこには意識の力が大きくかかわっています。
それも全て五行に当てはめて考えることが出来ます。
今回は、感情がどのように病気に繋がっていくのか、五行の相生で説明します。
相生とは
「相生」は、循環し発展する吉相です。
・「木」は「火」を生み燃やします(木生火)
・「火」は燃えて灰となり「土」となります(火生土)
・「土」は鉱物「金」を生みます。(土生金)
・「金」はやがて腐食して「水」に帰ります(金生水)
・「水」は潤し「木」を育てます(水生木)
このように、「木」→「火」→「土」→「金」→「水」の順番で気が流れ循環します。
これが、物事がうまく運び、発展する理想的な形となります。
相生には”一方が弱まり、一方が強まる”という2つの状態が常にあります。
「木」から「火」の場合で考えてみます。
「木」から「火」を見ると、自らのエネルギーを与えている状態です。
このときの「木」の状態を「退気」といい、自らが努力し、エネルギーを消耗することでいい結果が得られます。
一方で、「火」から「木」を見ると、エネルギーをもらえている状態です。
この「火」の状態を「生気」といい、周囲からのサポートを受けて成功するなど、自分としてはさほどエネルギーを消耗することなくいい結果が得られます。
「退気」を吉とすれば、「生気」は大吉です。
これをニンゲンの感情に当てはめてみます。
『土』脾(胃)は 思・慮
口から入った食べ物は、歯でしっかり噛んで咀嚼(そしゃく)して胃に入ります。
胃でも食べ物を咀嚼(そしゃく)していくのですが、
腑に落ちないものは、消化不良起こしている状態です。
食べ物だけでなく、感情や物事もすべて、残っている状態なのです。
思考で言うならば、納得行かない!という状況です。
消化できていない感情は・・・
こんなに頑張ってるんだからしんどいことがあったんだから
「わかってよ!」
そういう気持ちが脾(胃)に残ります。
物思いにふけり過ぎると気が結して、脾や胃に害を及ぼす、と言われています。
『金』肺は 憂・悲
「土」で不完全な気持ちのままでいると次は悲しみに変わっていきます。
「金」のグループの感情は「悲しみ」です。
誰もわかってくれないよー悲しいよ。
そして、それは罪悪感にも変わっていくかもしれません。
芯の部分ではわかってるのですが、どうすることもできないかもしれません。
憂い、嘆き、悲しみなどの感情が強いと、気が消えて肺を弱めます。
恋愛感情なども肺・金性を司りますので、肺病は色情因縁と言われたりしています。
『水』腎は 恐・驚
感情としては悲しみは、時間が経つと恐れになってきます。
ひとりぼっちで不安になってきて
自分って一人で怖い。
そんな風になります。
恐れ、驚きの感情は、気を乱して腎を害します。
腎を患うとちょっとしたことで驚きやすくなったり、恐怖心を持ちやすくなると言われています。
『木』肝は 怒
ニンゲンはあまりにも恐怖心を持ちすぎると、恐れさせている人や物事に怒りが湧いてきます。
腹が立って来るんです。
感情が恐れから怒りに変わったりもします。
肝臓が病むと気が上昇して、怒りっぽくなります。
また反対に、怒る気力がなくなったりします。
やたらに怒ってしまうことは、肝臓を傷めることにつながります。
『火』心は喜・笑ですが憎も
あまりにひどいと怒りは憎しみに変わっていくかもしれません。
同情(土)→悲しみ(金)→恐れ(水)→怒り(木)→憎しみ(火)と循環させ変化した感情は、
同情に戻った時、今までの経験が共感に変わっていきます。
人への思いやり、共感に変われば、納得感に変わります。
腑に落ちることになります。
腑というのは中身がないものでもあるので、肉体に変わってきます。
悲しみで自分を防御して鎧を着ていた感情は、鎧を脱いで自然体に変わります。
そういう風に生きることが本質だと教えてくれます。
逃げて嘆いて恐れていることは、一番怖いことこそ、あなたの本質です。
成長していけば、怒りのエネルギーが癒やされていきます。
本質的に成長するので喜びを感じることができるようになります。
ハートをオープンにするから、相手もオープンにしてくれるようにもなります。
そんな成長をする自分が喜びをもって、傷が癒やされることによって好循環サイクルに変わり始めます。
五行で、森羅万象、人間関係、心の動きとすべてを感じることができます。
ニンゲン誰にでもあるもの。
それが感情です。
思考でふたをしないで開放すると、滞っていた気も開放されます。
内側が変われば外側が必ず変わってきます。
八方塞がりでどうしようもない、と思っていたものが癒やされていくことになるのです。
陰陽五行にはいろんなメッセージが込められています。
感情はぐるぐる回っているものなので、流れて一周回っていくと消化されます。
心が閉じてしまって憎い恨みに変わります。
感情は気であり、エネルギーです。
不安などが脳裏から離れなくなったとき、気が滞ります。
逆に気がスムーズに巡り、生命エネルギーが活性化すると、治る力が高まるのです。心身のさまざまな不調は、“気(治る力)”の滞りから起こり、そこには意識の力が大きくかかわっています。
感情に振り回されずに、自分の内面や身の回りに起こる出来事を、冷静に観察できる力は病気にならない自然治癒力を循環させるのです。
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