東洋医学の「五臓」について。

五行
多聞先生
多聞先生

「五臓」って何か知ってますか?

 

 

心臓とか、肝臓とかの臓器のことよね・・・。

 

 

生きるために必要な働きの分類

東洋医学における「五臓」は、西洋医学における臓器の概念とは違います。

例えば「腎」。
西洋医学では、腎臓という内蔵のことですが、東洋医学では、発育や生殖などの基本的な生理機能をもつことから、「生命力の精を蓄える場所」と考えられています。

腎の働きが低下すると、むくみや冷えを招き、ホルモンにも関わって月経痛や不妊の原因にもなります。

腎は知能にも関連するため、腎が弱ると認知症になるとも言われています。

沈黙しているのが「五臓」

「五臓」とは肝、心、脾、肺、腎のことです。

それぞれが機能を持っていて、互いに協力しながら日々、私たちを生かし、育み、この世に生きながらえさせてくれています。

心臓や肺などを思い浮かべていただければわかるように、
五臓には休む暇がありません。

日中も、寝ている時も活動を続けています。
心臓が止まったら、肺が活動しなくなったら、死に直結しますよね。

臓器や細胞に必要な栄養を届け、気や血を身体の隅々までに巡らせていきます。

ホルモンの分泌や老廃物の排泄、疲労回復、精神の安定など。

私たちの心身に関するすべてのことに関わっています。

どんなに忙しく働いていても、ストレスを抱えていても、五臓は沈黙しています。
何のケアをしなければただ、機能が低下するばかりですし、私たちが知らないうちにバランスを崩してしまいがちです。

自らが感じられる身体の不調に気をとられがちですが、それは目には見えない身体の内部にある、五臓が疲れているサインです。

五臓はサインは出しますが、自ら「痛い」「つかれた」とは言ってはくれません。

その沈黙のなかにあるサインを正しくキャッチして、五臓を守る必要はあるかもしれません。

五行と五臓

東洋医学の「五臓六腑」は五行説を一つの基盤としています。

五行説は、この世に存在する万物は自然界の代表的な物質である「木」「火」「土」「金」「水」という5つの要素から成り立っている、とするものです。

この考え方に基づき、私たちの身体の機能を5つに分類したのが五臓です。

「水」が「木」の成長を助け、燃えすぎた「火」を「水」が鎮火するように、五行は関わりながらバランスを取っています。

それを同じく、五臓もまたお互いの働きを高め(相生そうじょう)抑制しあって(相克そうこく)バランスを保ち、身体が常に「中庸」であることを維持してくれています。

気・血・水の考え方

気(き)血(けつ)水(すい)これがわたしたちの身体の重要な働きを担っている3つの構成要素です。

気は私たちの生命活動に最も重要なエネルギーの素で、血は血液とその働きを含み、水は体内に存在する血液以外の水分のことです。

この3つはお互いに関係し合いながら、体内を巡り、その機能を発揮しますが、このバランスが崩れるとさまざまな不調を招くことになります。

3つの要素を体内で育て、身体の中に巡らせているのが五臓です。

気・目には見えないけれど、生命活動を支える根源的なエネルギー。
全身をくまなく行き来して血の巡りをサポートする他に、身体を温め、外からの刺激から身を守り、汗や尿の排泄を調整する働きがある。

血・血液だけを指すのではなく、体内におけるさまざまな働きを含んだ重要な要素。
全身に栄養や酸素を届け、髪や爪、筋肉などに潤いをもたらし、さらには精神を支える働きもある。
血がスムーズに流れ、しかるべきところに蓄えられてはじめて健全な状態を維持できる。

水・血以外の水分のこと。
臓腑や間接、骨髄など全身にうるおいを与えて五臓の働きや排泄をスムーズにしたり、体温調節を助ける働きも。唾液、胃液、涙、汗などもここに含まれ、さらには体内で血を作る重要な要素の一つ。

まとめ

健全で巡りのいい五臓であればこそ、五臓が栄養に満ちて、きちんと働き、未病対策にもつながります。

肌や髪などといった外見の美しさや若々しさを手にすることもできます。
五臓は私たちの一番近いところにあります。
それにも関わらず、目には見えない場所にあるからか、病気でない時には沈黙を守っているからなのか、私たちは見過ごしてしまいがちです。

五臓は季節の流れに影響されて、温度や湿度などの環境の変化に敏感です。
日々の生活に対応するように作られているのです。

五臓の調子が悪くなれば、不調となって私たちに教えてくれます。
そうした五臓のサインにきがつけるかが大きな分かれ目です。

五臓の声を聞く力が必要かもしれません。
活性化できると、誰もが美しさや若々しさを賢く手に入れることができます。

 

多聞先生
多聞先生

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