【症例紹介】下痢

治療

ここのところずっと

おなかが痛いんです。

下痢みたいです。

多聞先生
多聞先生

それは大変ですね。

下痢っていわゆるちゃんと便が出ない状態で、

これも、いろんなタイプがあります。

便通異常の分類

便通異常は、便の性情、排便時の状態、排便回数などの要因により便秘・下痢・交替性便通異常に分類されます。
ここで注意しておきたいことは、便秘は排便回数によって症状の診断がなされ、下痢は便の性状によって診断がなされることです。よって、便秘と下痢は対立する概念ではなく、下痢便でありかつ便秘することもあるということです。

急性下痢と慢性下痢

下痢は、腸管の動きすぎ、水分の障害、腸液が分泌しすぎるなどが原因です。
まずはじめに大事なことは、急性か慢性かということです。

急性の場合は暴飲暴食などによる、単純に下痢のことが多いのですが、
感染性の下痢であるかどうかの見極める必要があります。

感染性の下痢の場合は伝染する危険があるため、急性の場合は軽視せず、専門の医療機関による検査をお勧めします。
慢性の場合は過敏性腸症候群の頻度が高いのですが、腫瘍や癒着といった腸管そのものの疾患(器質的疾患)や糖尿病などの全身性疾患、抗生物質やアルコール、マグネシウム製剤などの服用による薬剤性のものなど、原因は様々です。
問診の際、便の状態とともに、全身の様々な状態をお伺いするのこういった可能性を様々な角度から把握するためです。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、腸の器質的疾患は無く、大腸を中心とした腸管の機能の異常により、慢性の腹痛や便通異常をきたす症状のことです。
消化器疾患の中でももっとも頻度の高い疾患の一つで、健常者の20%は過敏性腸症候群の症状を有しているといわれています。

男女比は男:女=1:2と女性に多く、発症年齢は若年層に多く、約半数が35歳以前に発症しているといわれています。
発症原因としては、ストレス負荷による腸管のぜん動運動が激しくなり、消化管の知覚過敏、心理的要因などが考えられ、症状も便秘型、下痢型、下痢と便秘が交替する交替型に分けられます。

下痢型は男性の方が女性よりも約2倍多く、便秘型は80%以上が女性です。

下痢の発症のメカニズム

1.分泌性下痢

消化管ホルモンや病原性細菌のエンテロトキシンにより、消化管粘液の分泌が異常に激しくなることにより発症します。

2.浸透圧性下痢

腸管内に吸収されない栄養素が過剰に存在することにより、腸管内に水分が引っ込まれ発症します。

3.運動異常性下痢

腸管のぜん動運動で腸内容物の通過速度が速くなり、水分の吸収が不十分になることによって発症します。

東洋医学的観点からの下痢

様々な原因により、脾の運化、脾の機能で、上へあげるという意味の昇清(しょうせい)作用が失調、低下することにより発症します。

脾」は母なる大地のイメージ。こちらも参照↓
https://hashimoto-tamon.com/hizotoiuzouki/08/

急性下痢は外邪や食傷によって脾が傷つけられ生じます。
慢性下痢は肝や脾のバランスが崩れたり、腎の陽気が不足したりすることによって生じる事が多いです。

下痢は主に水分が過剰になりたまった状態である「水毒」と考えられています。
過剰な水分が胃腸にたまることで、腰や腹部が冷えます。

そのことで、腹痛、下痢、おなかが張る、おなかにガスがたまりやすい、などのさまざまな症状が現れます。
また、最近ではストレス、いわゆる「気」の停滞で下痢をする人が増えています。

西洋医学では下痢を止めようとして、東洋医学では腸を整えようとします。

同じ下痢でも診るところが違うのが特徴的です。

下痢に対する東洋医学的治療法

冷えなどの外邪が影響している場合には、鍼や灸の刺激を用いて冷えを抜き、ツボや体表に現れている症状を緩和させます。
必要に応じて、下痢を促進させ、体内に溜まって邪気を排泄させることもあります。更に、五臓六腑のバランスを整え、脾胃の負担を減らすことによって、消化吸収能力を助けます。

まとめ

  • 西洋医学では下痢を止めようとして、東洋医学では腸を整えようとする治療。
  • 急性と慢性の下痢があり、急性は病院に行く方がいい。
  • 分泌性下痢・浸透圧性下痢・運動異常性下痢がある
  • 東洋医学では脾の昇清(しょうせい)作用が失調、低下することで起こる。
  • 五臓六腑のバランスを整え、脾胃の負担を減らすこと。
多聞先生
多聞先生

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